私立小と公立小では、何が違うのですか?

 

私立小には、それぞれの学校で設立の理念、教育の方針があります。その考えに賛同し、その教育を受けたいというご家庭とその子弟が集まります。従って、ひとつの考えのもとに同じ方向を向いている学校、先生、ご父兄、こどもが学ぶ場となるので、共通の話題も多く、ものごとへの対処の方法が近いことが多いということになります。

 まだまだ未熟な発展途上のこどもたちの行動には、いさめるべき点があり、それは日々の活動において繰り返されます。その小さなトラブルに関するご父兄の感度が近いことは、学校生活が円滑に過ごせる土台になると考えられます。

一方、公立小の場合、さまざまなご家庭のこどもが地域という枠組みに従って集まるので、異なった考え方に出会える機会が多くなります。さまざまな考え方に接するなかで感じること、考えることも、こどもにとっては刺激であり経験です。

 どちらが「よい」「わるい」ではなく、その違いを理解しておくことは、入学前に必要なことだと思います。私立小、公立小、どちらも学校公開や行事などで、一般の人が学校を知る機会がありますので、それらを利用して、わが子に合っているのか、を親子で考えてみるのは、とても大切です。

 幼稚園、保育園の幼児が、中学生の思春期のこどもになるまでの6年間は、1年1年心身ともにぐんぐんで成長する、人生の中でももっとも成長のスピードが感じられる時期です。日中の7~8時間を過ごす小学校で、どのような学びを得て、お友達との関係を築くのかは、その子にとって、環境が合っているか否かで、大きな差を生むのです。

 一貫校の附属である私立小に通うのであれば、中学受験がないので、スポーツや音楽、将棋やロボットプログラミングなど、自分の没頭できる世界でのびやかに能力を発揮することも可能です。算数オリンピック、バイオリンコンクール、オリンピックジュニア強化選手になるなど、将来につながる道でがんばるお友達も身近にいる場合もあります。

 逆に、公立小の場合、中学受験でしっかりと将来につながる学力を身につけることをさせたいというご家庭もあります。4教科をしっかりと学び、中学受験をひとつの目標として自律的に学習する機会をこどもに持たせるチャンスととらえていらっしゃいます。切磋琢磨する喜び、友達とともにライバルであり、同志である友情など、中学受験にはこどもを成長させる要素がたくさんあります。

 私立小、公立小、どちらにも素晴らしい点があり、逆に易きに流されてしまう危険もあります。ご家庭として、こどもにどのような日々を送らせたいのか、そのこどもが向いているのはどのような環境なのか、をお考えになる機会ととらえていただくのが、よろしいかと思います。

 個人的な正直なお話を申しあげると、わたくし自身は公立小であり、娘は私立小に在学しております。時代も違いますし、わたくしの場合は父の仕事の転勤で地方におりましたので、環境はまったく異なります。ただ、わたくしの祖父が父を私立小に入学させたいと準備をしていたところ、戦争でそれが叶わなかったという背景があり、わたくしの中には、私立小がそんなに遠い存在ではなかったということもございます。

 娘の学校の参観日にうかがうと、その授業のテンポの速さ、学ぶことの深さや広さに圧倒されます。もともと受験して合格したこどもたちですから優秀なのは理解できるのですが、知識をたくさん知っているということだけではなく、発想力の豊かさ、お友達の意見を真剣に聴く態度、美しい正しい日本語をつかった自信にあふれた意見、いきいきと学ぼうする生徒ばかりが教室を埋め尽くしていることなど、授業中に流れる時間の濃さに驚かされるのです。それは、低学年であっても、高学年であっても同じです。また、そのような授業を構築される先生方の企画力、ぐいぐいと生徒を引き込む話術、熱意をもってご指導くださっていることは、一目瞭然です。「授業がつまらない」「眠い」というようなことは、起こりそうにありません。

 こどもは正直なので、おもしろければ、のめりこみますし、理解がむずかしかったり、簡単すぎても、心が離れていきます。しっかりと生徒の能力と学ぶべき課題とをとらえ、展開してくださっている授業は、能力のバラつきが少ないからこそ実現しやすいということも、あるでしょう。自分自身の小学生時代と比べて、うらやましい環境だと思うことがしばしばございます。

Private Infant Education

元気にはつらつとお友だちと遊べる子、 集中力があり、好奇心が旺盛な子、 生活力のある自立した子。 そんな子どもに育てていくための、 ひとりひとり異なる発達と成長の幼児に寄り添った個別指導を行っております。 幼児教室に行く前に、ご家庭でご準備しておくとよいこと、 難関小学校に通うご家庭がなさっていることをていねいにお伝えしています。 「わかりやすいから楽しい」「楽しいから身につく」レッスンです。

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