潮干狩りの季節です。
今週の3歳さんの時間。
「春ですね。もう少し暖かくなると、海では潮干狩りができるようになりますよ。海に行ったことは、ありますか?」 「はい!」と元気にお答えができました。
「そうですか。潮干狩りって、知っていますか?」 こちらは、ちょっと知らないな、という表情。こども用の春の図鑑から、潮干狩りの様子の絵や、図鑑の貝類の写真をお見せします。「あ、貝だぁ、知ってる知ってる!」「しましまのが、いい!」と、こどもは、のぞきこんで、指をさしてくれたりします。
「今日は、本物のあさりが、ありますよ!」という声をかけると、こどもの目が一気にに輝きます。「えええ~! 本物?!」「すごい、すごい!!」
おうちでも、召し上がっているであろう「あさり」ですが、図鑑を見たり、お話聞いたりした後の「あさり」は、違うものに見えるようです。
ザラザラした貝の感触や、海のにおい、硬い貝殻の質感を味わいました。開かない貝を必死で、開こうとして「開かない~! 固いよぉ」と不満そう。
「いつも、お味噌汁でいただいているあさりは、開いているかしら? 閉じているかしら?」と尋ねると、「開いているよ。これは、どうして開かないの?」と。
「貝殻の中の、あさりさんは、生きていて、開けないで、って必死に閉じているのよね。でも、お鍋の中でお味噌汁を作るために煮ると、パカッと開いて、おいしいお出汁が出るのよね」「ええ。そうなの~?!」「お母さまに、あさりのお味噌汁作っていただいてね」の言葉に「うん!」と期待に満ちた表情のお返事。
後日、お母さまにうかがうと、これまではそんなに好きでもなかった、あさりのお味噌汁をお代わりしたとのこと。あさりのうまみや香りを味わって、とびきり満足そうだったそうです。
き っとこれからの季節、行楽のひとつで潮干狩りにお出かけのご家族もいらっしゃると思います。そんな時、「あ、これ、知ってる! あさりだ!!」と、記憶がつながっていけるとうれしいと思います。自分で探して、自分で捕ったあさりは、これまた、心に残るおいしさになることでしょう。
0コメント