やりたいことをやりたいだけ
1歳前後になると、ハイハイから、つたい歩きが始まり、初めて立ち上がった瞬間に感動するものです。赤ちゃんから、幼児への第一歩。そんな時期、足腰の発達ともに、実は、手指の発達も急激なスピードで進んでいます。
床に落ちた小さなホコリを見つけては、つまんでみたり、ティッシュボックスから、次から次へとティッシュを引き出してみたりするのも、この頃です。
「床のホコリを拾うなんて、きたないことしないで!」と悩んだり、「ティッシュがもったいなから、やめて!」と取り上げる前に、ちょっと考えてみてください。
まだ、1年も生きていない幼児に、「きたない」とか「もったいない」という概念が理解できるでしょうか?
または、その概念を伝える時期として、適切な時期でしょうか?
幼いこどもは、ただ単純に見つけたものを拾いあげたい、つまんでみたい、引張り出してみたい、という欲求に駆られているだけなのです。そして、それは、本人も自覚しないような深い本能的な発達の発露なのです。
ずり這いから、高這い、スピードのあるハイハイ、そして、つたい歩き、立ち上がり、よちよち歩き。そして、走り出し、スキップをし、ツーステップがリズムに合わせてできるようになるまで、足腰は、何度も何度も繰り返し、薄皮をはがすように成長を進めます。同じように、手指も何度も何度もつまみ、ひっぱり、つかみを繰り返し、クレヨンを握り、はさみを使い、鉛筆を持ち、箸を自在に使えるようになるのです。一見、大人の目からすると、迷惑なことも、こども自身にとっては、真剣な成長のためのワンステップだと見守っていただければ、素直によどみない成長を、その子のペースで行っていけるように思います。
1歳から小学校就学までの期間は、全身がのびやかに成長を遂げる奇跡のような時間です。そして、その後の生活を支える土台を作る大切な時間でもあります。身につくまで繰り返し行うことで、自分が意識しないでもできるような、自分も周りも気持ちがよくなる振る舞いや、好奇心を膨らませ続けられる自信を育てていきたいですね。
こどもと関わる大人は、こどものやる気と根気の邪魔をしない大人でありたいものです。
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