ほめて育てるのがいい? よくない?
書店で、「ほめて育てましょう」という育児の本をよく見かけます。感情的に怒るのではなく、冷静に叱るのが正解で、ほめる機会を多く育てるのがいい、ということもよく耳にします。
でも、わたしは「ほめる」という言葉のもつ、上の者が下の者を評価するような雰囲気に、違和感と、小さな嫌悪感をもってしまうのです。「天は人の上に人を作らず」ということばが好きだからでしょうか。
「ほめられたくて」頑張るなんて、けなげすぎて、胸がきゅんと痛くなります。もう存在しているだけで、そのこどもは、充分すばらしいのに、と思ってしまいます。
「ほめられたくて」頑張っているのに、うまくいかなかったら、その子はどうやって、その先頑張ればよいのでしょう。わたしは、「ほめる」のではなく、「いっしょに喜ぶ」という気持ちで、こどもと接したいと思っています。
うまくできたら、「いっしょに喜び」、うまくできなかったら、「いっしょに悩み、いっしょに考え、いっしょに次に向かう」。そうしたら、うまくいかない時にも、こどもと心が離れないし、うまくいかない落ち込んだこどもを、ひとりぼっちにしないでいられるかな、と思うのです。
「ほめる」なんて、単に先に生まれただけのわたしが、おこがましい。ひとりの人として、年少のこどもも、リスペクトをもって接するのが、当たり前かな、と考えています。多少、知っていることが多くて、できることがあったとしても。「ほめる」ではなく、「よかった!」「うれしい!!」といっしょに喜びたいのです。
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